夫が560万円の借金をしていました。
借金の原因はギャンブルです。
夫の場合、競艇です。
法テラスを通して弁護士事務所に行き、個人再生の準備を始めました。
借金返済のために用意したお金、約160万円が口座から消え、夫が行方をくらましました。
翌日の夜、
警察から、夫が見つかったという連絡がありました。
私は警察署に夫を引き取りに行きました。
口座から消えた160万円は、ギャンブルで使い、お金は残っていないということでした。
財産が減ったことで、個人再生の申し立ての手続きに影響が出ます。
夫と共に、弁護士に報告に行きました。
弁護士からは、柔らかい言葉でしたが、厳重注意をされました。
借金の返済額が増える可能性が出てきました。
裁判所の返事を待ちます。
弁護士から連絡がありました。
夫がギャンブルで預金160万円を使い込んでしまいましたが、個人再生の返済額は増額をすることなく進めてもらえることになりました。
預金が無くなり、そのうえ借金の返済額が増えてしまう状況は、免れました。
預金160万円が無くなり、当初の返済計画よりは、厳しくはなりましたが・・・、
私は返済計画を練り直して、頑張ろうと思っていました。
夫のお父さんから、私だけが夫の実家に来るように言われました。
夫が仕事に行っている間の呼び出しでした。
ダイニングに入ると、お父さんとお母さんがそろっていました。
30分ほど、お父さんが夫に対して言いたいことを聞いていました。
ひとつの紙袋を渡されました。
中にはまとまったお金が入っていました。
「このお金と、少し自分たちでプラスして、個人再生などせず、全額返済をするように。」
という話でした。
「このお金は元々、孫たちの教育資金としていずれ渡そうと思っていたものだけど、このままでいくと、そもそも家庭が危うい。」
「個人再生をすると、借金の総額は減っても、ブラックリストにのるし、官報に情報がのる。」
「そもそも借りたお金はそのまま返すのが道理。」
・・・そういう話でした。
560万円と160万円、合わせて720万円、すでに夫に使われてしまいました。
・・・ギャンブルで。
すべて、子供たちの将来のために、使いたかったお金でした。
祖父母が用意してくれていた、孫のための教育資金も、夫がギャンブルで作った借金のために、使ってしまおうということでしょうか・・・。
・・・ありえないです。
私には夫の両親が用意してくれていた、孫のための教育資金を、夫の借金の返済のために使うことは、考えられませんでした。
個人再生をすれば、借金の総額は減るし、利息がストップするのだから、弁護士が計画してくれたように5年間かけて、じっくりと返済すればいいと思うのです。
なのにどうして、わざわざ今、子供たちの教育資金を使って夫の借金を丸々返済しなくてはならないのでしょうか。
私だって何年もかけて借金の返済をしているのは気持ちがいい話ではありませんが、今、全額返済してしまうのは、得策とは思えないのです。
夫の金銭感覚のリハビリの点からも、じっくりと返済をする方がいいと思っていました。
それに、現時点では、夫のギャンブルが止まる保証があるわけではなく、夫が借金をしなくなる保証も無い状態です。
夫の借金を綺麗にしたところで、万が一また借金をしたら、どうしたらいいのでしょう。
何もなくなってしまいます。
誰が子供たちの未来を保証してくれるのでしょうか。
誰が私たち家族の生活を保証してくれるのでしょうか。
借金全額返済が、綺麗で楽に見える道だとしても、
夫がまだ何も成し遂げていない状態で、私が夫に大金を投資するわけにはいきませんでした。
私の意思を伝えると、完全に納得してくれた様子ではありませんでしたが、最終的に、
「アンタにまかせる。」
と言ってもらえました。
なんとか子供のための将来の教育資金を、夫の借金返済のために全額浪費するのは免れましたが、
お金は渡されてしまいました。
夫と暮らしながら、お金を守ることには不安があります。
私は当初、教育資金として渡してくれる予定だった、5年後、もしくは10年後に、お金を渡してほしかったなあ、・・・というのが本音でした。
教育資金を用意してくれていたことは、とても嬉しかったです。
夫の借金返済のためにお金を早めに渡してくれたのも、・・・親心ですよね。
だけど、
なんとしても、夫の両親が用意してくれた孫のための教育資金を、
夫のギャンブルや借金から守らなくては、と思いました。