夫が560万円の借金をしていました。
借金の原因はギャンブルです。
夫の場合、競艇です。
法テラスを通して弁護士事務所に行き、債務整理を決意。
個人再生の準備を始めました。
借金返済のために用意したお金、約160万円が口座から消えていました。
夫に電話をかけ、記帳に行ったことを話すと、すぐに電話を切られてしまいました。
電話は着信拒否、
ラインは既読が付かなくなり、ブロックをされているようでした。
いつもの帰宅時間を2時間過ぎても帰ってきませんでした。
夫からラインのメッセージが、1通、届きました。
いろいろ書いてありましたが、要約すると、
『今までありがとう。探さないでください。』
翌朝になっても、夫は帰ってきませんでした。
夫のお母さんから連絡があり、夫が帰ってきたか、何か連絡があったかどうか、聞かれました。
連絡はないし、帰ってきてもいません。
夫のお母さんが言いました。
「警察に捜索願を出そう。」
捜索願・・・、
事の大きさに一瞬動揺しましたが、
私もそれがいいのだろうと思い、夫の両親と共に警察署に向かいました。
個室に通され、1人の警察官が話を聞いてくれました。
捜索願を出せるのは、親族や行方不明者の福祉に関係する人などらしいです。
私が代表して、夫の捜索願を出すことになりました。
まさかこのような形で警察のお世話になる日が来るとは思いませんでした。
いろいろなことを聞かれました。
- 夫の仕事、年齢、家族構成。
- 夫が出ていった原因について思い当たることはないか。
- 捜索願を出すのが、なぜ今になったのか。
- 夫のギャンブルについて。
- 借金について。
- 人間関係について。
- 行先に心当たりはないか。
- 誰か泊めてくれるような相手はいるか。
- 夫の性格について、内向的か、外交的か。
- 歩き方の特徴。
- 最後に見た時の服装。
- 服の色。
- DVなどは無かったか。
- 最近変わったことはなかったか。
- 最後に持っていたお金の金額はいくらか。
- 夫がのっている車の車種、色。
- 自殺の可能性は考えられるか。
私は音信不通になってから送られてきた1通のラインの話をしました。
ラインの画面を開くと、警察官が写真を撮っていました。
「遺書と取れなくもないですね。」
「どう思われますか?」
私は、分からないと答えました。
- 夫に精神疾患があるか。
- 過去に精神病で病院にかかったことはあるか。
- こういった状況の時に、死を選びそうなタイプであるか。
と、聞かれました。
私は自分の知っている範囲でこたえました。
「精神疾患はありません。」
「絶対とは言い切れませんが、死は選ばないと思います・・・。」
自信はなかったけれど、その時自分が感じたままを話しました。
夫の近影写真があるか聞かれて、携帯の写真を探しました。
警察官は、私の携帯の中にあった夫の写真を撮りました。
たまに夫のお母さんが何か言おうとしていましたが、夫のお父さんに、
「お前はいらんこと言うな。アキ子ちゃんにまかせえ。」
と、止められていました。
「せやな。」
夫のお母さんは、小さな声で呟いていました。
捜索願というか、行方不明者届というらしいですね。
私は書類にサインをして、正式に届けを出しました。